店舗経営者のためのビジョンの作り方


clear vision of a sunset

はたして、経営にビジョンは必要なのか??

 

『会社経営にはビジョンが絶対必要だ!ビジョンがなくてどこに会社を向かわせるつもりなんだ!?』

そんな、ビジョンがない経営者には耳が痛い言葉を、よく経営に関する本で見かけます。

では、本当にビジョンがなくては会社経営はできないのでしょうか?

実際、ビジョンがなくてもそこそこ頑張ってる会社はたくさんありますし、リクルートなどの大企業でも、経営理念はあっても明確なビジョンはなかったりします(あいまいな方向性を示すものはあっても)。

「じゃあ、ビジョンなんて無理して考えなくてもいいか。」

と考えがちですが、この記事を読まれているあなたはビジョンがなくて困っていたり、ビジョンを作りたい経営者だと思いますし、会社の規模もこれから伸びる会社だと思います。

結論から言いますと、会社経営にビジョンは絶対的に必要です。

しかし、会社経営といっても事業規模の拡大を望んでない経営者の方もいらっしゃいます。

それでも、ビジョンは必要です。

なぜ、そこまでビジョンが必要と言い切れるのかを具体的なビジョンの作り方をもとに説明していきます。

 

ビジョンには種類がある

 

そもそもビジョンとは、未来構想のイメージです。

なので、どの程度の時間軸の未来をイメージしているかによってビジョンの規模が変わってきます。

 

短期目標ビジョン

 

例えば、「今月の売上目標100万円だ!」という目標があるとすれば、

客数100名、平均単価10,000円、そのための集客方法にweb広告費10万円を使い、新規を20名、残り80名をリピーターへのDMで獲得。新商品の紹介によって単価を10000円に。お客様の喜ぶ顔と達成した自分の姿が見える。

とかだと、1か月後の未来のイメージが見えてきます。

これは、短期目標ビジョンです。

ダイエットでも、3か月で―5㎏の目標を掲げ、3か月後に履けなくなっていたズボンをはいて、引き締まったからだの自分を鮮明にイメージすることができるのであれば、短期目標ビジョンと言えるでしょう。

 

 

中長期ビジョン

 

例えば、【3年後、5店舗、社員総数25名、年商2億円】

という目標を設定したとします。

この目標に対して、社員が情熱をもって3年後に向かっていけるならば素晴らしいことですが、

多くの場合、あまりピンとこず、「社長はそう言ってるなー」ってぐらいになります。

下手をすれば、経営者ですら3年後の目標を立てた時はワクワクしたものの、しばらくすると情熱がなくなり、

「でかいこと言い過ぎたな」などと後悔さえ覚えることもあります。

なぜなら、この目標だけでは絵空事で、3年後にそうなる保証は全くありません。

さらに、目標を達成する理由すらないのであれば経営者といえどもモチベーションを保つことが難しくなっていきます。

なので、中長期ビジョンに必要なものは、その目標を達成する情熱を感じさせる目的と理由が必要なのです。

もちろん、短期目標ビジョンにも理由は必要ですが、期間が長くなればなるほど、圧倒的な理由が必要になります。

そしてこの理由付けには経営者のタイプで2つの方法があります。

 

目標達成型経営者

 

「絶対何が何でも立てた目標は達成する!」

 

目標達成型経営者の場合、コミットメント力が強いので理由うんぬん抜きにして、一度やると言ったらやり通します。そして強いリーダーシップを持っているので、社員を引っ張り上げていきます。

しかし、その反面、ついていけない社員も多くなり、後ろを振り返ると誰もいなくなっていた、なんてことになる可能性もあります。

かといって、社員の顔色をうかがい、経営者の行動エネルギーを落とすことになると、目標達成の妨げになり、会社存続の危機にまで発展することもありえます。

なので、目標達成型経営者は、自身の持つ圧倒的リーダーシップはそのままに、達成したい中長期の目標に

『後付け』で理由付けを行います。

今回の例でいえば、

なぜ、3年後、5店舗、社員総数25名、年商2億を目指すのか?

この理由を、社員視点、顧客視点、会社経営視点の3つの視点で考えていきます。

◎社員視点

3年後、5店舗、社員総数25名、年商2億社員数25名になれば、
完全週休2日制を導入できるし、基本給も上げることができる。
そして5店舗作ることによって、店長に昇格できるチャンスも増える。

 

◎顧客視点

3年後、県内で5店舗になれば、年間4万人の人々に弊社のサービスで喜んでもらうことができる。

 

◎会社経営視点

3年後に年間4万人のサービス利用者を獲得できれば県内シェアNO1になり、
あらゆる戦略の効果を最大化することができる。
そして5店舗それぞれ独立採算性を目指すことで社員の中から5人経営者を育成し、
グループ会社として組織化することでリスクを最小化しながらも
今後の企業発展を最大化できる。

 

このように中長期目標に理由付けを行うことで、経営者と従業員のモチベーションを維持する、
中長期ビジョンとなります。

 

サポート型経営者

 

「やりたいことあったら応援するよ!」

 

サポート型経営者の場合、中長期目標に興味がないわけではありませんが、結果よりも過程を重視する傾向にあります。今現在ある、人や資源をうまく使って調和を図るので、比較的温和な社内風潮が生まれます。

しかし、その反面、社員に主導権を与えることで、リーダーシップの弱い社員は行き先が見えず不安になることもあります。そして、自然の流れに経営を任せていくと、社員の自然退社や自然失客により事業規模が縮小し、自身の衰えとともに会社がなくなっていく可能性もあります。

かといって、社長自身がリーダーシップを発揮し、社員を引っ張り上げようとしてもどこに向かっていいのかわからないので、余計に社員を混乱させることになりかねません。

なので、サポート型経営者は、
『もし、このままの状況が変わらず3年経つとどうなるのか?』を考えます。

そして、その際に起こりうるリスクを明確にし未然に回避するための策を持つことで中長期ビジョンにつなげることができます。

 

例えば、

「現在1店舗で社員4名で年商3000万円の何かしらの店舗」があったとして、

3年間、状況が変わらなかったらどういうリスクがあるのか?
その対策はどうするべきが?

社員視点、顧客視点、会社経営視点の3つの視点で考えてみましょう。

例:

◎社員視点 リスクと対策

リスクは、社員が結婚退社する可能性がある。求人が必要だが、今の勤務条件では求人が来ない。

社員はほんとに頑張ってくれてるけど、今の組織ではキャリアアップさせる環境がない。

給料を増やしてあげたくても売上が頭打ちで上げられない。

対応は、基本給を上げ、完全週休2日制にすることで、求人を行い社員を増やす。

社員の育成により、次の店舗を出店することでキャリアアップも可能になる。

新店舗により、売上の頭打ちから解放される。

 

◎顧客視点 リスクと対策

3年後は店舗に新鮮味もなく飽きられはじめている。遠方のお客様に不便さを感じさせている。

新規出店によって、新鮮さや地域社会の利便性が向上する。

 

◎会社経営視点 リスクと対策

客数を維持するために毎月広告費を投じているが、日を追うごとに反応が薄れてきている。3年後にはほとんど広告に反応しなくなるだろう。求人をかけているが反応がない。今後結婚退職によって人不足に落ち込む。残りの社員にさらに負担がかかる。現状のままでは会社経営の先行きが見えない。

新規出店によって新規顧客開拓と会社の活性化を図らなければならない。
そのために雇用条件を改善し早急な求人を行う。
理想の雇用条件を実現、維持するためには一人当りの生産性が66万以上を維持させなければならない。
現状、経費的に3人まで雇用が可能で、3店舗になるとさらに6人雇用可能で、5店舗になるとさらに12人の雇用が可能になる。そうすればキャリアアップの環境も整い、社員の希望も実現しやすい。社員がいることで次の事業への展開も期待できる。
結果として、3年後には、5店舗、社員25名、年商2億円になっている。

 

このようにサポート型経営者は現状からの未来予測によって会社の状況をイメージすることで、中長期ビジョンができあがり、結果として中長期目標が生まれる形になる。
この中長期ビジョンをもつことで調和を図りながらも尻すぼみにならない、成長する経営が可能になります。

 

大きく2タイプの経営者に分けましたが、ひとりの経営者が両者の特徴を持ち合わせる事も可能です。

しかし、右腕の存在によって経営者の特徴をカバーされることで飛躍した会社は多く存在します。

右腕となる社員がいるのであれば、そのビジョンを聞いてみて共有することも大切かもしれません。

 

 

 

 

経営ビジョン

 

経営ビジョンが最も規模の大きなビジョンになります。

何に向かって、何のためにその会社が存在しているのか?

会社の存在意義そのものだと言っていいでしょう。

しかし、経営ビジョンがなくても存在している会社はたくさんあります。

それは、その会社に存在理由がないわけではなく、未来がないわけでもなく、経営ビジョンがないだけです。

つまり、潜在的な存在理由や、向かう方向性を顕在化させていないだけなのです。

なので、どの会社でも経営ビジョンを持つことができますし、経営ビジョンを作ることでより希望を感じる経営が可能になります。

 

経営理念と経営ビジョンは違うのか?

 

厳密に言いますと、経営理念が未来に向かっているものであれば、それは経営ビジョンになります。

例えば、

「私たちはすべての人々が笑顔ですごせる社会を創ります」

という経営理念であれば、これは経営ビジョンとも言えます。

他に、

「会社は社員の幸せを追求し、社員は顧客の喜びを追求します。」

という理念があったとすると、これは、経営理念であって経営ビジョンではありません。

このように、その会社の中での憲法のような絶対守らなければならないルールを理念としている場合は、その理念を実現し続ける先の未来像が経営ビジョンになります。

なので、経営理念がなければ経営ビジョンは作れません。

逆に、理想の未来像となる経営ビジョンがあれば、逆算して経営理念を作ることもできます。

 

さらに、経営理念やビジョンは会社のルールになりますので、

従業員に対しての約束事として、

「これを守らなければ、この会社では働くことはできない」

という、強い抑制力を持たせることができます。

それが、社員教育の原点となりますので、

理念やビジョンは教育ツールとしての役割も果たします。

 

理念や経営ビジョンの作り方

 

まず、会社は法人であり、その法人が社会に対してどんな影響を与えたいのかを考えることで社会的な理念やビジョンができます。

しかし、その理念やビジョンに情熱や熱い想いがなければただの壁に掛けた飾り物になってしまいます。

経営理念や経営ビジョンを知らない社員がほとんどの会社もたくさんありますし、経営者ですら自分の会社の経営理念を言えない人もいるほどです。

それは、忘れてる経営者が悪いのではなく、理念の作り方を間違っているだけなのです。

いくら法人といっても、これから伸びる会社は経営者の判断、決断次第でどうにでも転びます。

つまり、経営者自身が会社自身なのです。

理念やビジョンは、その会社自身である経営者の中から出てきたものでなければ決して浸透しません。

言葉を他社から借りてくることは問題ありませんが、どれだけそこに魂がこもっているかが重要になります。

 

魂のこもったビジョン

 

経営ビジョンを作る際は、漠然と理想の未来を創造するだけではなかなかしっくりくるビジョンは描けません。

なぜなら未来は不確実で、どうなるかわからないものです。にも拘わらず、絶対的方法性を決めるわけですから、経営者自身が完全に腑に落ちるものでなくてはなりません。

そのためには、まず最初に経営者は自分自身を十分に知る必要があります。

自分自身の価値観を明確にしていくことで絶対的は価値基準が見えてきます。

 

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